(1)投資信託の運用
前回、投資信託の税金控除(4)について見ましたが、投資信託リスクについて、2013年3月9日の日経新聞を見てみましょう。投資信託はプロに運用を任せる商品なので、運用力の巧拙などがその良しあしを左右する。追加型投信の場合、過去のリターンを評価のものさしとして用いることが多い。繰り上げ償還など投信固有のリスクも念頭に置く必要がある。投資信託のリスクとして言われることは、プロに運用を任せるよりも、インデックス投資と言われるように、日経平均株価の構成銘柄に投資を行ったほうが運用成績がよくなることです。
投資信託のリスクの一つは、プロが選んだ偏った銘柄で投資に失敗することですが、ETFのメリットは投資信託よりも手数料が安く、株式のインデックス投資が可能であるため有利であると言えます。
(2)投資信託の運用成績
期間収益率は累積リターンなどとも呼ばれ、過去の一定期間における基準価格の変動を表す。運用会社が開示しているが、分配金を再投資したと仮定して計算されていることが大半で、個人が得る実際のリターンとは異なる場合がある。投資信託のリスクとして、運用成績が見かけ上は複利計算として計算されており、金融機関と個人投資家の情報理解に差があることも一つのようですね。
- 運用会社の期間収益率 分配金を再投資したと仮定して計算
- 個人が実際に得る収益 分配金を再投資するとは限らない
(3)日経平均株価など投資運用の指標と比較することが重要
この収益率は、投資対象の値動きを示す運用指標と比べることが大事だ。たとえば、ある日本株投信が10%のリターンを上げても、日経平均株価が同期間に15%上がっていれば成績は芳しくないと考える。日経平均株価は、株式投資の代表的な指標ですが、株式で運用する投資信託の場合、日記平均株価と比較して成績が良好であるのかどうかが重要になります。
- 株式の投資信託 プロに手数料を支払って、プロの判断で運用
- 日経平均株価のETF 日経平均株価の構成銘柄の割合に連動して投資
(4)投資の将来は未知数
時間がたつほど運用の腕によって成績に差がつくので長期のリターンで比べたほうがよい。相場の上昇局面などで設定される新規の投信は注目を集めがちだが、「成績表」がない点に注意しなければならない。投資信託のリスクについて、日経新聞は上記のようにまとめていますが、誤解のないように言うと将来は不確実です。金融商品は過去の投資運用成績がよいとしても、将来も資産を増やすとは限りません。
(5)投資信託の保有する資産構成
また、運用上手な投信ほど、リスクを抑えて高いリターンを上げている。シャープレシオはリスクに対してどれだけのリターンを得たかを示す運用力の指標だ。投資信託などの金融商品や企業もそうですが、収益をあげるときのリスクによって、リターンは異なります。
- 投資信託の元本100 投資収益5 投資信託が保有する金融商品の価格変動が少ない
- 投資信託の元本100 投資収益5 投資信託が保有する金融商品の価格変動が激しい
(6)投資信託の償還リスク
純資産が一定額を下回ると償還されることがあり、その増減にも目を配る必要がある。口数は人気のバロメーター。日経電子版には、こうしたものさしでファンドを選別する「投信発掘ツール」が備わっている。投資信託の口数が多いほうがよいように思えますが、金融商品の将来価格は未知数であるため、人気のある金融商品がよいとは限りません。投資信託のリスクとして、人気のある金融商品がよいと勘違いするリスクに注意する必要があります。
(7)投信評価の主なものさし
- 期間収益率 一定期間の運用成績
- シャープレシオ リスクに対して得られたリターンの大きさ
- 純資産残高 繰り上げ償還のリスク判定
- 口数 売れ行きのバロメーター
- 分配金利回り 基準価格に対する分配金の割合
- レーティング 専門機関による投信のリスク判定や運用力の評価
金融商品を購入する際は、投資信託も当然ですが、将来のリスクは過去から予想することはできますが、価格は誰にも分からないことを理解する必要があります。投資信託のコスト(6)に続く。
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