(1)REITと不動産投資信託
前回、ETF投資信託の違い(8)について見ましたが、投資信託 REITの違いについて、2013年3月15日の日経新聞17面を見てみましょう。
投資信託のうち不動産に投資するのが不動産投資信託(REIT=リート)だ。REITは「Real Estate Investment Trust」の略称。投資家から集めたお金でオフィスビルやマンションを購入し、賃料収入を得て投資家に配分する。REITは、不動産に投資する投資信託ですが、証券取引所に上場していることが通常の投資信託とは異なります。
REITの特徴については上記をご参照下さい。投資信託とREITの違いと同時に、REITとETFの違いを理解することが重要になります。
REITは証券取引所に上場しているため、ETFと類似しているように思えますが、スポンサー企業が自社の不動産を組み込むため、利益相反の可能性があることを理解する必要があります。
(2)J-REITの銘柄数
東京証券取引所には現在39銘柄が上場し株式と同じように売買できる。国内に上場するREITは「Japan」の「J」をつけて「J-REIT」と呼ぶ。現存のJ-REITはすべて投信法上の投資法人制度(会社型投信)に基づく。J-REITの銘柄数は増加していますが、日銀の金融緩和は国債と同時に、ETFとREITの購入を増額したことから、金融商品として注目が集まっています。
投資信託と異なり、REITやETFは証券取引所に上場しているため、株式と同じように売買することが可能となっており、流動性は投資信託よりも有利です。
(3)REITのメリット
会社といっても数人の役員がいるだけで従業員はおらず、資産の運用や一般事務などを外部の専門家に委託することが義務付けられている。決算期には配当可能利益の90%超を分配するなどの要件を満たすことで法人税がほとんどかからない特典が認められている。REITは不動産保有する場合と比較すると、配当金が一定金額を満たすと、法人税が優遇されるメリットがあります。REITのメリットを言い換えると、個人投資家が小額投資であっても、大手不動産会社が保有するような不動産の収益を得ることができる金融商品と言えます。
(4)REITと株式の利回り比較
REITは利益のほとんどを分配金(株式の配当金に相当)に回すため、株式より利回りが高い。直近の分配金利回りは平均3%台半ば。東証1部の配当利回り(加重平均)は2%弱だ。REITと株式の配当利回りを比較すると、REITのほうが有利ですが配当金についての違いを理解する必要があります。
- REIT 分配金利回りは平均3%台半ば
- 株式 東証1部の配当利回り(加重平均)は2%弱 赤字などにより配当金をなしにする可能性がある
(5)REITと株式 不動産株との比較が重要
投資家の買いも活発で東証REIT指数の年初からの上昇率は30%強と、日経平均株価の20%弱を上回る。アベノミクスで地価や賃料が上昇するとの期待がある。REITと株式の比較で見ると、日経新聞は株式のREITが有利であるように報じていますが、注意する点があります。
- 三菱地所の株価
- 三井不動産の株価
- 住友不動産の株価
(6)REITとREIT投信
個別銘柄は最低投資金額が100万円を超える例もある。個人投資家は複数の銘柄を組み入れた「REIT投信」に投資する場合が多い。投信は1万円程度から投資可能なものが多い。REITよりも最低投資金額が低く、複数の銘柄に投資した効果を得られるREIT投信は、一定の人気があるようですね。REIT投信を購入する際にも、金融商品の手数料がどの程度必要になるかを確認することが、重要になります。投資信託の利益計算(10)に続く。 スポンサードリンク
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