(1)投資信託の追加型と単位型の違い
前回、投資信託基準価格(2)について説明しましたが、投資信託の種類について、2013年3月7日の日経新聞17面を見てみましょう。多くの投資信託のパンフレットの表紙に、追加型という言葉が出てくる。いつでも購入できる投信であることを示す用語だ。オープン型とも言う。半面、運用を始める前の当初募集期間しか購入できない投信を、単位型またはユニット型と呼ぶ。投資信託の種類について、様々な解説が銀行や証券会社、金融サイトで見かけますが下記の理由により、管理人はETFの方が確率論で考えると有利であると考えています。
投資信託を金融商品として検討する際は、ETFに類似の金融商品があるのかどうか、販売手数料と信託報酬(運用手数料)は妥当であるのかが重要になります。
(2)投資信託の追加型
投資信託協会によれば、投信の9割超は追加型だ。追加型の投信は原則として、無期限に運用を続ける。運用を続けながら新たな資金を受け入れ、投信(ファンド)の規模を大きくすることを狙っている。投資信託は販売手数料と信託報酬が、銀行や証券会社、運用しているファンドの利益になります。
- 投資信託の販売手数料 販売金額×一定の割合
- 投資信託の運用手数料 運用金額×一定の割合
(3)投資信託の単位型
一方、単位型ではファンドを設定する前の募集期間中だけ資金を集める。運用を始めた後は、新たな購入の申し込みを受け付けない。投信によっては、「クローズド期間」という期間を設定し、その間は解約を認めない場合がある。ファンドの資金量が増えたり減ったりすると、運用しにくくなるからだ。投資信託の単位型の特徴を考えると、投資運用の初期に資金運用に失敗すると、挽回することが非常に困難になることが分かります。
- 投信運用160 元手100 借入60
- 投信運用に失敗140 元手80 借入60
- 投信運用に成功200 元手140 借入60
(4)信託期間の設定と繰り上げ償還条項
ほとんどの単位型では、「信託期間」と呼ぶ運用期間を事前に決める。2~7年で運用を終える例が多い。基準価格が一定水準まで上がると期間の途中でも、運用をやめて投資家に現金を返す単位型も最近は増えている。一般に「繰り上げ償還条項付き」と呼ぶタイプだ。投資信託のうち、単位型は運用期間を設定して運用を終えますが、運用成績がよいと繰上げ償還条項により投資家に返金されるものがあります。
- 金融商品は流動性が高いほうがよい
- 現金化は早いほうがよい
- リスクが同じであれば、金融商品は短期間でも儲かるほうがよい
(5)野村エマージング・ソブリン円投資型とシリーズ
単位型では、運用会社が市場情勢などをみながら、同じファンド名のもと随時、新たな投信を設定する例が目立つ。野村アセットマネジメントが27日に設定する「野村エマージング・ソブリン 円投資型」は11年10月以降、シリーズ化して11本目となる。投資信託の単位型は、追加型と異なりファンドの設定期間中だけ資金を集めます。人気のある投資信託は、野村エマージング・ソブリン円投資型のように、シリーズ化することが分かります。
投資信託の人気のあるものが、今後も優れた金融商品であるとは限らないですが、投資家にどのような金融商品が人気なのか知るために有効であると言えそうですね。
(6)追加型と単位型の違い
追加型(オープン型)
- 購入 いつでも
- 解約 いつでも
- 運用期間 原則として無期限
単位型(ユニット型)
- 購入 期間限定
- 解約 できない期間を設ける場合も
- 運用期間 2~7年などに限定
追加型と単位型の投資信託の違いを見ると、上記のようになります。投資信託の単位型には、初期の解約手数料を高めに設定することで、事実上の解約を困難にするものもありますので、金融商品ごとに確認が必要ですね。投資信託の税金控除(4)に続く。
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