(1)投資信託基準価格の仕組み
前回、投資信託とは(1)で投資信託についてまとめましたが、投資信託基準価格について、2013年3月6日の日経済新聞17面を見てみましょう。投資信託の値段のことを「基準価格」と呼ぶ。正式には「基準価額」だが、新聞紙上などでは価格と書くのが慣例だ。投信が組み入れいている株式などの終値を各営業日の夕方に1日1回集計し、運用会社が公表する。投資信託とETFを比較したときに、ETF価格の決まり方を見ると証券取引所に上場しているメリットが分かりやすいと思います。
- 投資信託の価格 金融商品などの終値を各営業日の夕方に集計
- ETFの価格 証券取引所でリアルタイムで決まり、売買が可能
(2)投資信託購入の注意点
基準価格をみて、その価格で買おうとしても買えない点には注意が必要だ。投資家からの購入申し込みを締め切った後に、投信のその日の価格を公表する仕組みになっているからだ。投資信託基準価格の仕組みは、その日の金融商品の終値を集計して決まります。投資信託はETFと異なり、基準価格で購入することができず、実際の価格は購入を決めた当日の夕方でなければ分からない仕組みという事ですね。
(3)投信価格の特徴
投信では株式の株数に相当する単位を「口数」という。ほとんどの場合、1口1円で設定して運用を始め、基準価格は1万口当たりの価格で表示する。運用がうまくいけば、投信の基準価格は上がる。ただ、投信は運用で稼いだ収益を「分配金」として投資家に配分することがある。その際、分配金の分だけ基準価格が下がる。投資信託の価格は、1万口当たりの価格で表示されますが、投資信託には二種類ありますので価格表示の意味を解釈するときに注意が必要です。
- 配当金を分配しない投資信託 基準価格を下回っていると保有資産が減少
- 配当金を分配する投資信託 保有資産の減少は、配当金の支払いによる可能性がある
(4)グローバルソブリンと分配金
最近の投信は分配金を毎月出すのが主流で、分配金の支払いが基準価格に大きく影響する。運用規模が最大の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」もそうした例のひとつだ。投資信託で人気となったのが、毎月、分配金を出す、世界中の外国債で運用するグローバル・ソブリン・オープンです。グローバル・ソブリンオープンのように、投資信託の純資産から配当金を出す投資信託には注意が必要です。
ETFと投資信託の手数料を比較して、資産形成は複利が重要であることを説明しました。資産形成の観点から見ると、投資信託のうち毎月配当金を分配するタイプは極めて不利になります。
(5)グロソブの分配金と投資信託の価格
グロソブの愛称で知られ1997年に設定し、現在の基準価格は5300円台。ただ、これまでの分配金は累計で約7600円で、これを単純合算した修正ベースの基準価格は1万3000円近い。分配金を再投資して運用した場合は1万5300円台となる。
投資信託の中でも、グローバル・ソブリンは、毎月分配金を得られる投資信託として人気となりましたが、再投資をしないため複利のメリットを生かせません。
- 分配金の再投資せず 修正ベースの基準価格は1万3000円
- 分配金の再投資 1万5300円台
老後の金融資産を十分に保有していて、複利で資産を運用する気のない方にとっては、手頃な金融商品として人気があるのかもしれないですね。投資信託の種類(3)に続く。 スポンサードリンク
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