韓国株ETNとETFの違い

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野村證券が、韓国株ETNと香港株ETNを上場しましたが、ETNとETFの違いについて見てみましょう。ETNはETFと違い、単純に株価指数などに連動しないうえに、発行元が倒産するリスクがある点に注意が必要ですね。

(1)野村證券が香港と韓国のETNを東京証券取引所に上場

前回、中国株ETFについて見ましたが、韓国株ETNとETFの違いについて2013年3月6日の日本経済新聞22面が報じているので見てみましょう。
2月中旬には野村証券が香港ハンセン指数と韓国総合株価指数(KOSPI)に連動するETNをそれぞれ2本ずつ東証に上場させた。
海外ETF 国内ETFの違いについて見ましたが、ETNは野村證券など発行会社が指数に連動して発行するものですので、ETFと異なるようですね。

(2)ETNとETFの違いはリスク

ETNはETFと同様に価格が株価などの指数に連動する。異なる点は、ETNには裏付けとなる資産がないことだ。そのためETNには発行会社の信用リスクが伴い、発行会社が倒産すれば証券が紙切れになる可能性がある。一方、裏付け資産に縛られないため、資産として保有することが難しい商品や、株価指数を加工した指数に連動させるなど自由に商品設計できる。
ETNとETFの違いを見ると、ETNには発行会社が倒産するデメリットはありますが、金融商品を設計する自由度が大きく異なることが分かります。
  1. ETNのデメリット 野村證券など発行会社の倒産
  2. ETNのメリット 金融商品を自由に設計できる
ETNのメリットは、金融商品を自由に設計できることですが、ETNは特別なリスクが潜んでいる可能性があるので投資運用に注意ということですね。

(3)野村證券のETNは金融商品の値動きが通常と異なる

野村が上場させたETNも通常の株価指数に一工夫加えてある。ハンセン指数とKOSPIの「ダブル・ブル」は、変動率が基準の指数の2倍になるようにレバレッジをかけた。 
一方「ベア」は基準の変動率にマイナス1をかけた指数に連動する。株価指数が上がればETNの価格は下がり、下がれば価格は上がる。株価指数が上昇する局面では「ダブル・ブル」で収益を通常よりも大きくできる。「ベア」は調整局面で収益を上げたり、リスクヘッジに使えたりする。
野村證券のETNは、ETFと異なり株価指数に対して独特の動きをしますので、金融商品の投資を検討する際に注意が必要です。

(4)ETNとETFは金融商品の値動きが異なる

  1. ETFであれば株価指数に連動
  2. ハンセン指数とKOSPI ダブル・ブルのETN 変動率が2倍
  3. ハンセン指数とKOSPI ベアのETN ETNの価格が、株価指数の変動と逆になる
野村證券のETNは、ダブル・ブルは価格が2倍になるというのは分かりやすいと思います。野村證券のベアについて簡単に説明しましょう。
  • 現在の価格=基準価格+株価指数の変動率(%)×(-1)
野村證券が上場したハンセン指数とKOSPIのベアは、株価指数の変動率(%)×(-1)となっていますので実際の株価指数と逆の動きになります。

(5)ETNで信用取引の効果を得られる

これまでレバレッジを効かせて銘柄を買ったり、価格下落に備えて空売りしたりするには証券会社に証拠金を積み、信用取引用の口座を開設する必要があった。上級者向けの取引だったが、2倍やマイナス1倍のETFが登場し、ETFを買うだけで同様の効果を得られるように手軽になってきた。
ETNで野村證券が上場した商品は、信用取引を行うことと同じ金融商品を容易に購入できることになったと言えます。
  1. ハンセン指数とKOSPI ダブル・ブルのETN レバレッジによる証拠金取引と同等の金融商品
  2. ハンセン指数とKOSPI ベアのETN 証拠金取引による空売りと同等の金融商品
ETNがETFや為替証拠金取引と異なる点は、取引金額が十分でなく売買が成立しにくい可能性がありますので、流動性にも注意が必要ですね。ETFランキング世界市場推移に続く。
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