(1)アジアの株価指数に連動する投資商品
海外ETF 国内ETFの違いについて見ていきましたが、日本で購入できる中国株ETFについて、2013年3月6日の日本経済新聞22面が報じているので見てみましょう。アジアの株価指数に連動する投資商品が充実してきた。上場投資信託(ETF)や上場投資証券(ETN)の形で日本の取引所に上場し、投資家が売買しやすくなっている。アジアの成長を運用収益として取り込むとともに、分散投資の手段としても有効だ。ETFのメリットは、指数に連動するため株価指数の場合、株式に分散投資したことと同じ効果が得られることです。中国株ETFの上場により、中国株を対象とした投資信託よりも低コストで、ファンドマネージャーの能力に頼らない、投資運用が可能となります。
(2)中国株への投資意欲が高い
日本の投資家の中国株への投資意欲は非常に強い。2月27日、東証に新規上場した中国株ETFの運用会社、中国南方アセット・マネジメントのディング・チェン最高経営責任者(CEO)は上場会見で期待をにじませた。中国は新興国の成長市場として注目を集めていましたが、日本の投資家にとって中国市場の関心は高いです。海外ETF 国内ETFの違いは、購入の際の情報収集が困難なことでしたが、東京証券取引所に上場することで、情報収集が容易になりそうですね。
中国A株ETFファンドの動向を見ると、株式ファンドは売却に動く一方で、ETFに大口の機関投資家による買いが入っているようですね。
(3)中国の運用会社が中国株ETFを上場するのは初
同日に上場したチャイナ・アセット・マネジメントのETFとともに、中国の運用会社がETFを日本市場に上場するのは今回が初めてだ。チャイナ・アセットのETFは上海と深圳の取引所に上場する主な300銘柄で構成するCSI300指数、南方アセットは両市場の50銘柄で構成するFTSE中国A50インデックスに連動する。中国株ETFを中国の運用会社が、日本の株式市場で上場するのは初のようですね。日本の投資家にとって、購入手数料や売買手数料の高い海外投資信託を購入するよりも、手数料の安いADRによる投資運用の選択肢が増えるのはよいことですね。
(4)金融への投資割合に近い
中国の株価指数
どちらも日本でいえば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)のような株価指数だ。50の構成銘柄は大型の国有企業中心で、金融セクターへの配分が約65%と高い。一方300は金融の比率が約40%で、資本財や素材セクターにも10%以上振り向けるバランス重視とされる。中国株ETFで、東京証券取引所に上場したCSI300指数とFTSE中国A50インデックスの違いを簡単にまとめます。
中国株ETF CSI300指数
- チャイナ・アセット CSI300指数
- 上海証券取引所と深圳証券取引所の300銘柄
- 金融部門への配分が約40%
- 資本財や素材セクターに10%以上投資
中国株ETFのCSI300指数は、上海証券取引所と深圳証券取引所の取り扱い銘柄に幅広く投資を行う商品です。中国株ETFのCSI300指数は、金融部門への配分が大きいように思えますが、他の部門への投資も意識しているようですね。
中国株ETF FTSE中国A50インデックス
- 中国南方アセット・マネジメント 中国A50インデックス
- 上海証券取引所と深圳証券取引所の50銘柄
- 金融部門への配分が約65%で高い
(5)日本の証券口座で中国株ETFが売買可能
東証に上場するので、日本の証券会社の口座を通じて円建てで売買できる。1口当たりの投資金額も4000円程度と比較的少額で手掛けやすい。昨年後半から上昇基調にある日本株に対し、「中国株は出遅れている」(南方アセット)という。値動きの違う海外の株価指数を組み入れることにより分散投資の効果を高めることができる。
海外ETF 国内ETFの違いは、為替のリスクがあることでしたが、東京証券取引所に上場して円建てによる売買が可能になることで為替売買のコストが減少します。
中国株ETFは、日本の株式市場と異なる値動きをしますので、分散投資の効果があることが指摘されています。中国株ETFと日本株ETFに、分散投資によるリスク低減を考えるのも、投資戦略かもしれないですね。韓国株ETNとETFの違いに続く。
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