ETFランキング世界市場推移

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ETFランキングで日本市場の資産残高は低い位置に留まっていますが、世界市場推移を見ると別の側面が見えてきます。米国や欧州はETF市場の育成に成功しており、日本は欧州にETF資産残高で追い抜かれ圧倒的な差が生まれています。

(1)東京証券取引所でアジアのETFが増加している理由

前回、韓国株ETNとETFの違いについて見ましたが、ETFランキング世界市場推移について、2013年3月6日の日本経済新聞22面が報じているので見てみましょう。
野村証券の塩田誠ETFマーケティング・グループ長は「時差が少なく、日本と取引時間が重なるアジアの株価指数には、値動きを見ながら売買できるライブ感がある」と語る。アジアの株価指数に連動するETFやETNの上場が増えているのには、東京市場の地の利もある。
東京証券取引所でアジアのETFが増加している理由は、中国株ETFもそうですが、日本市場と近いことがあるようですね。日本の金融市場は、巨額の個人金融資産やアジアとの距離に優位性がありますが、ETFの保有残高は伸びていないようですね。

(2)家計金融資産に占めるETFの割合

もっとも、日本でのETF・ETNの浸透はまだまだこれから。家計金融資産に占める残高の比率は米国で2.5%、欧州で1.5%あるのに対し、日本は0.3%にとどまる。銘柄数も最大市場の米国では約1500銘柄あるが、日本はその10分の1だ。しかしその分、成長の余地もある。
日本は、家計金融資産に占めるETFの割合が低いことが分かります。日本でETFの資産残高が低調なように見えますが、アメリカは日本の10倍の銘柄があるため、上場しているETFの数が増加しなければ厳しいでしょうね。

(3)世界のETF市場残高

  1. 2001 米国88.4 欧州5.7 日本6.6 アジア(除く日本)3.7
  2. 2002 米国106.3 欧州10.7 日本21.0 アジア(除く日本)3.8
  3. 2003 米国156.8 欧州20.4 日本27.6 アジア(除く日本)6.6 
  4. 2004 米国236.6 欧州34.7 日本30.3 アジア(除く日本)8.6
  5. 2005 米国313.8 欧州56.0 日本31.8 アジア(除く日本)10.5
  6. 2006 米国432.7 欧州91.8 日本34.6 アジア(除く日本)18.1
  7. 2007 米国621.2 欧州133.4 日本34.2 アジア(除く日本)27.1
  8. 2008 米国542.4 欧州149.6 日本27.7 アジア(除く日本)24.3
  9. 2009 米国793.6 欧州242.6 日本24.9 アジア(除く日本)39.3
  10. 2010 米国1,011.8 欧州315.3 日本32.6 アジア(除く日本)56.1
  11. 2011 米国1,079.9 欧州327.6 日本36.4 アジア(除く日本)61.5
  12. 2011年は10月末(単位:10億米ドル) 
日興アセットマネジメント商品企画部ETFセンター長の今井 幸英氏が、月刊資本市場 2012.3(No. 319)で、世界最大の資産運用会社であるBlackRockのデータをまとめているので見てみましょう。

ETFランキングで、米国が世界市場で常に首位ですが、ETFの市場規模が大きくなっていることが分かります。ETFで気になるのは、日本のETFが欧州市場に資産規模で圧倒的な差がついている点です。

日本株ETF海外の販売動向を見ると、世界のETF市場の資産残高は2兆ドルを超える水準に拡大しており、年率30%近い水準で成長を続けていることが分かります。

(4)ETFランキングの向上とアジアETF

海外ETF・ETNの上場を支援する三菱UFJ信託銀行の星治フロンティア戦略企画部長は「日本の1500兆円の個人金融資産をめがけて、日本で上場を目指すアジアの運用会社が増えている」と話す。株価指数だけでなく、商品指数に連動したものなど、今後も投資家の選択肢が広がりそうだ。
ETFランキングで、日本が巻き返すためには、アジアのETF組成を増やしたり、投資家に対する啓発が必要ではないでしょうか。ETFランキング世界市場推移を見ると、日本と欧州のETF市場育成の差が歴然としており、金融行政が積極的に対策を打ち出す必要がありそうですね。

ETF日本市場規模の推移を分析すると、ETF市場を育成すれば、投資家の投資機会が広がり金融商品を選択する幅が広がりそうですね。東南アジアETFと経済を見ると、日本が経済協力で金融安定化を行うために、東南アジアのETF購入を発表しており、ETF市場の拡大が金融の選択肢を広げていることが分かりますね。
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