(1)金融機関の手数料収入
前回、ETF銀行の販売動向について見ましたが、投資信託 銀行の優遇理由について2013年4月23日の日経新聞7面を見てみましょう。
金利の低下で運用による収益が振るわないなか、金融機関にとって投信販売で得られる手数料収入の重要性は増している。各金融機関は販売増に向けて独自の取り組みを打ち出している。銀行は顧客から集めた預金を、国債や銀行融資を行うことで収益をあげています。銀行が融資を行うと、与信管理の継続を行うと同時に、格付けが低下したときに貸し倒れ引当金を積みます必要がでてきます。
(2)銀行が投資信託の手数料収入を重視する背景
- 銀行融資 金利が収入 融資が回収できなければ赤字であり、融資を管理するコストも必要
- 投資信託 手数料収入 販売時点で手数料収入を得ることができる
銀行は融資のための資金を、預金や市場から調達するため利息をつけて返済する必要があるのですが、優良企業は無借金経営の会社も多いですので貸出の伸びは限定的ですね。
(3)三重銀行の投資信託システム
三重銀行は3月前半にインターネットで投信購入や残高照会ができるシステムを刷新した。公社債投信のほか、一定金額の投信を決まった期日に継続購入する「積立投信」の取り扱いを始めた。三重銀行は投資信託の販売や顧客の利便性を向上するために、投資信託のシステムを向上させているようですね。三重銀行は、自動継続する投資信託を取り扱うことで、継続的に手数料収入を得る仕組みを構築していることが分かります。
(4)投資信託の申し込み手数料の値下げ
大垣共立銀行は投信の申込手数料を最大で50%割り引くキャンペーンを3月から開始。「1~3月の口座の開設件数が前年の約2倍となるなど関心は高い」という。大垣共立銀行は、投資信託の申し込み手数料を引き下げることで、投資信託の獲得に力を入れているようですね。ETF銀行の販売動向を見ると、販売金額が倍増している地方銀行もありますが、口座の開設件数が増加しているということは取引拡大が見込めますね。
(5)証券会社が採用増加
営業人員の拡充も相次ぐ。東海東京証券(名古屋市)は14年春の新卒採用を4割増の230人とする計画。愛知銀行と第三銀行は投信など運用知識が豊富な担当スタッフを増員する。販売後も顧客へのフォローを充実させ、継続的な取引につなげたい考えだ。証券会社は採用を増加することで、金融商品の販売に力を入れるようですね。投資信託の販売が増加している情報を収集された方は多いと思いますが、少なくとも以下の内容を理解してから、購入検討することをお奨めします。
- 地方銀行ETFに投資
- 投資信託リスク(5)
- 投資信託のコスト(6)
(6)投信販売の伸び
- 十六銀 約1.9倍(3月)
- 百五銀 約2倍(3月)
- 大垣共立銀 約3倍(1~3月)
- 名古屋銀 約2倍(1~3月)
- 愛知銀 約1.8倍(3月)
- 三重銀 22%増(3月)
- 中京銀 約2倍(3月)
- 第三銀 過去5カ月(2012年10~13年2月)の平均比79%増(3月)
- 東海東京証券 販売額が月間で過去最高(3月)
- (注)第三銀と東海東京証券以外は前年同期比比較
(7)投信拡販に向けた主な取り組み
- 大垣共立銀 投信の申込手数料を最大50%割引
- 愛知銀 預かり資産アドバイザーを10人増員して16人とする計画
- 三重銀 インターネットの投信販売システムを刷新し取扱商品を拡大
- 中京銀 資産運用の専門家「FAテラー」を今期中に15人増員
- 第三銀 預かり資産専門の販売スタッフの増員を検討
- 東海東京証券 14年春入社の新卒を230人採用予定(13年春比4割増)
- 銀行の受取手数料の削減
- 銀行担当者の増加
- 金融機関の新規採用を増加
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