ETF手数料の比較

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ETFの最大のメリットは、売買手数料や信託報酬が投資信託よりも安いことです。ETFや投資信託などの金融商品は長期運用が基本ですが、売買手数料や信託報酬が高いと、複利で運用したときの資産形成に大きな差がでます。

(1)ETFと投資信託 信託報酬の比較

前回、ETFインターネット取引と窓口取引の比較について見ていきましたが、ETF手数料の比較について、窪田真実のETFの買い方・売り方が分かる本を見てみましょう。
投資信託の信託報酬は純資産総額の0.5%~2%程度なのに対し、ETFの信託報酬は純資産総額の0.1~1.0%程度と割安です。長く保有するほどこの差は運用成績に大きく影響します。
金融資産を複利で長期運用するときに、毎年の金利は大きな影響がありますが、信託報酬の金額により金融資産の変動は非常に大きくなります。
  • ETFの信託報酬 純資産総額の0.1~1.0%程度
  • 投資信託の信託報酬 純資産総額の0.5%~2%程度
ETFと投資信託は、信託報酬が大きく違いますが長期の資産運用を考えると、非常に差が出るので見てみましょう。投資信託とは(1)で説明しましたが、購入時の手数料は金融商品や購入金額によって異なるので、注意が必要ですね。

(2)信託報酬と金融資産増加の関係

資産を複利で運用して、金融資産が倍になる年数をまとめたのが、下記です。前提となる式は、単純に金利を複利で計算しましたので、関心のある方は簡単ですので計算してみて下さい。
  1. 金融資産を金利2% 約35年
  2. 金融資産を金利3% 約24年
  3. 金融資産を金利5% 約14年
  4. 金融資産を金利7% 約11年
  5. 金融資産を金利10% 約8年
ETFと投資信託、信託報酬の比較を見ましたが、1%~2%の毎年のコストは資産形成に大きな影響を与えることが分かります。

(3)金融商品の売買手数料

売買手数料については、投資信託の場合は無料で済むこともあります。ETFの売買手数料は株と同じで証券会社が約定代金などに応じて独自に決めています。ネット証券会社では安く設定しているところもあります。
ETFと投資信託を比較すると、投資信託の中には売買手数料として3.15%をとる金融商品もありますが、非常に大きな影響を与えますので、必ず確認して下さい。

金融商品は、基本的には長期保有が前提となりますので手数料が安いことは極めて重要ですが、管理人は、金融商品が高騰している時には売却する決断も重要であると考えます。

(4)金融商品の売買と利益

ただし売買手数料が安くても、短期的な売買を繰り返すと結果的には高くついてしまうので注意しましょう。
ETFは手数料は安いものの、短期売買は損失を蒙る可能性を、窪田真実さんは指摘しています。
  1. 100万円投資 合計100口購入
  2. 140万円で売却
  3. 1口7000円に下落
  4. 140万円投資 合計200口購入
金融商品の売買で重要であるのは、長期保有も当然ですが、安く買って高く売り、安く買い戻すことです。ETFや投資信託を含めて、金融商品の変動は運の要素も大きいですが、これは投資信託では行えない手法ですね。

(5)投資ファンドの運用と手数料

通常の投資信託は、投資家から集めた資金を、運用会社のファンドマネージャーが運用方針に基づいて株式や債権に投資します。
ETFと比較すると、投資信託は投資ファンドが運用方針を告示して、信託報酬として手数料収入を受け取ります。金融商品の長期保有を考えると、この信託報酬が資産形成を大きく阻害する可能性があることを頭に入れておくことが重要になります。

(6)ETFは運用コストが低いため資産形成に有利

一方、ETFは指数へ連動するように組み合わせた現物株式を証券会社や機関投資家に拠出してもらい、それと引き換えにETFの受益証券を発行する仕組みです。構成銘柄の変更などがなければ、原則として市場で株を売買することはないので、運用コストを低く抑えることが可能なのです。
ETFは、投資運用会社の運用成績という運(?)に頼る必要がないため運用コストが安く、信託報酬が安いです。ETFは運用コストが低いため、ETFと投資信託を比較すると、長期保有による金融資産運用はに非常に有利であると言えます。

海外ETFの手数料だけでなく、為替リスクや情報収集のコストを考える必要があります。東京証券取引所で円建ての海外ETF上場が増えそうですので、海外の成長機会を取り込むことのできる、投資機会が増えそうですね。
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